退屈かと思われた次の街までの1週間は、新しい魔法を夢中で考えている内に、あっという間に過ぎてしまいそうだ。

既存の魔法も使いこなせていない状態なので、あくまで机上の空論ではあるが、だからこそ、想像が無限に広がる。

「私、思ったんだけど。もし私と同じタイミングで転生してきた人がいたとしたら、私と同じ世界から来てる可能性もあるよね?」

「そうですね。その可能性はかなり高いと思いますよ」

「きっと、その人も魔法が使えるよね?」

「これまで確認された転生者は、みんな魔法が使えたので、それはほぼ間違いないと思います」

「その人が私より魔法に詳しかったり頭が良かったりしたらいいな。それで、ジョニデと3人で魔法の研究をするの。きっと楽しい」

どうやったらその転生者を見つけることができるのか、、

「私が見つかったのって魔力が感知されたからって言ってたよね?」

「はい。時期的に聖女がサルと出会って親子の契りを交わした際の魔力が感知されたんだと思います」

ん?サルと親子の契り?私、そんなの契ったのか?

「聖女の魔力は特殊なので、聖女が魔動力を使った際に探知できる魔道具を作ったんです。完成までに時間がかかってしまい、4年前にやっと探知が開始されました」

ていうか、サルが私の親?何それ、凄く気になる。

けど今はとりあえず、

「その魔道具は、転生者には使えないの?」

「聖女と同じく神聖魔法で召喚された人なら使える可能性は高いと思いますが、、言われてみたらそうですね。探知を続けてみましょう」

でも、そんなに特殊な魔力なら、それが例え男の子でも、発見されてれば教会から神殿に報告があがるはずじゃない?そう考えると、その転生者はまだ発見されてないのかもしれない。

「教会は神殿の下部組織なの?」

「言い方は微妙ですが、まあ、そうですね。ですが、それぞれの教会ごとに歴史もありますし、所属している国によって事情も違うので、全てが統括されてるわけではありません」

「例えば、特殊な魔力を持った赤ちゃんが発見されても報告せずに、最強転生者として育成したり、、?」

「残念ながらこれまでの戦争は、それが原因となってます。できる限り対策はしてますが、正直手の打ちようがなくて、、」

発見されずに森にいたら見つけられず、そうじゃなくても、意図的に隠されていたら見つけようがない。

これは、前途多難だな。