雀の花

【不思議なアイツ】
ついにバイト初日がやってきた。紗奈さんのやってるバイトはカフェ店員。
紗奈さんらしいなーと思いながら場所に向かった。
着くと、そこは古民家のような外見をしていた。
店に入ると紗奈さんに手招きされる。まだ開店前らしい。
話を聞くと、今まで4人で切り盛りしていたらしいが、人手が足りず頼ったとのこと。
4人目の子は忙しく、たまにしか顔を出さないらしい。
「紹介するね。右から、店長の相澤夕架さん、夕架さんの旦那さんの宏さん、
バイトの西野綾乃ちゃん。で今、用事いないけど、バイトの片桐昌和くん。
綾乃ちゃんと昌和くんは歌音と同い年だから仲良くするんだよー。」
「ほどほどにしますね。元々よろしくするつもりなかったんですけど、紗奈さんにはお世話になってますので。」
そう言って、私は仕事に戻る。
「涼本さんって結構、おとなしいんですね!」
と、彼女に言われる。
「別にそんなんじゃないですよ。人と関わるのが得意じゃないだけです。
西野さんは明るくて、可愛いくて羨ましいですよ。あと、弥亜でいいですよ。その本名嫌いなんで。」
「そう?でも弥亜も素敵だと思うな。私も綾乃でいいよ!」
「綾乃ちゃん……。」
私は綾乃ちゃんとは考え方が違う…….。そう思った。

「お疲れ様でーす。あ、君が店長が言ってた新人?俺、片桐昌和仲良くしような。よろしく~。昌和でいいよー。」
勝手に話、進めんな、あと、チャラそう……。正直、すごい面倒くさい。
「初めまして、涼本弥亜です。一応よろしく。私も弥亜でいいですよ。」
「うわ、真面目そー。同い年なんだろ?タメでよくね?
君さー、顔可愛いのに性格がなー。まあいいや、退屈はしなさそうだし。

改めて、仲良くしようね。仏頂面の弥亜ちゃん。」

初めて出来た友達は、印象最悪……。