再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む

昼食後は夕食の下ごしらえに取り掛かる。

今日の夕食はマカロニグラタンとサラダ、かぼちゃのコンソメスープ。
全部、蒼斗の大好物メニューだ。

帰りが遅いためある程度夕食を作っておき、帰宅後は温めて食べればいいだけ。
あんなに苦手だった料理も蒼斗のためならと、今ではある程度の食事は作れるようになった。

クタクタのときはレトルト食品に頼ったりもしてしまうけれど、出来るだけ手作りを心掛けている。


「よし。これで大丈夫」


粗熱が取れたスープの鍋とサラダを冷蔵庫にしまうと、歯磨きをして軽くメイクを直した。

用事を済ませアパートを出ると、再びクリニックへと向かう。
公共機関を利用せずに徒歩圏内で通勤や登園が済むというのは、小さい子どもを連れている私にとって本当に助かっていた。

あ、そうだ。明日のこと、安達さんに頼んでおかないと。
そんなことを考えつつクリニックへと入ると、すでに安達さんは戻って来ているようで、いつも履いてきているブラウンのムートンブーツがきれいに並んでいた。

その横に私の脱いだ靴を並べ、室内用スリッパに履き替える。


「お帰りー。早く戻って来たんだね」

「はい。安達さんに、ちょっと頼みごとがあって」

「どうした? もしかして、蒼斗くん?」