今日はクリームシチューのほかに、ツナとコーンのサラダ、フランスパンのガーリックバター焼きを準備した。
料理本のようにとまではいかないけれど、なかなか上出来だと思う。

料理を並べ終え、椅子に腰かけて「いただきます」と両手を合わせた蒼汰さんは、さっそくシチューを口にしている。


「美味い。だいぶ上達したじゃないか」

「本当ですか? ありがとうございます」

「やっぱり妻の手料理っていいな」


嬉しそうにそんなことを言いながらクリームシチューをあっという間に食べ終えてしまった蒼汰さんは、キッチンに向かいおかわりをしている。

……蒼汰さんが喜んでくれて嬉しい。
でも、それ以上甘い言葉をかけないで欲しい。

昼間のお母様との出来事がなければ、きっと蒼汰さんの言ってくれたことを心から喜べたのかもしれない。
でも、今は胸が張り裂けそうだ。


「フランスパンもひと手間加えるだけでこんなに美味しくなるんだな」


そう言いながらフランスパンもサラダもあっという間に食べてしまった蒼汰さん。
「食事を作ってくれたんだから、洗い物はするよ」と言ってくれた。

仕事終わりで疲れているのに申し訳ない気持ちでいっぱいだったけれど、蒼汰さんがキッチンを占領してしまい、私は先にお風呂に入らせてもらった。