再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む

私の過去を知っているのは現時点で蒼汰さんだけなのに……いったいどこからそんな情報を入手したというのだろう。


「蒼汰が結婚して妻と同居しているというから、こちらで調べさせてもらったのよ」

「う、嘘……」

「嘘じゃないわ。でも、まさかキャバクラで働いていたなんてね。はしたない！」


〝はしたない〟
お母様の言葉が、胸にぐさりと突き刺さった。
確かに、お母様のようなちゃんとした国家資格を取得しているナースからしてみれば、キャバクラなんてそんなものなのかもしれない。

でも、私もキャバクラで働くつもりなんてなかったし、そうしなければ生活していくことなんてできなかった。
行き当たりばったりで夜の世界へ飛び込んだような感じにはなっているけれど、勤務しだしてからは一生懸命働いてきたつもりだ。

欲しい物だって自分が稼いだお金で買っていたわけだし、誰にも迷惑はかけていないはず。


「そんな娘と結婚するなんて。今すぐ別れなさい」

「えっ！？」

「なにを驚いているの？　そんなキャバクラで働いていたような子が、蒼汰の結婚相手だなんて許せません！」


その発言とともに、テーブルの上にバンッ！となにかを置いたお母様。

驚いてそちらに目を移してみると、そこに置かれていたのはーー離婚届だ。