私がそう言うと、とても嬉しそうな笑みを浮かべてデザートに手を付けた蒼汰さん。
そう。この時間は、ずっとは続かない。
だからこそ限られた時間を大切にしようと、そう思った。
* * *
それから1ヶ月経った2月の初旬。
毎日寒い日が続き雪もちらつく中、私はマンションの1室でデスクに向かって参考書を広げていた。
というのも、医療事務の資格取得に向けて必死に勉強をしている。
フレンチを食べに行った日の帰り。
蒼汰さんは「ちょっと寄りたいところがある」と言って、その目的地へと車を走らせた。
向かった場所は、本屋さん。
そこで自分のための参考書を購入するのかと思いきや、購入したのは私が医療事務の資格取得をするための参考書と問題集だった。あと、料理の本を数冊。
まさかあの『資格は今から取得すればいい』と言っていたのは本気だったのかと、開いた口が塞がらなかった。
でも、勉強は苦手じゃない。
高校時代も成績は基本上位だったし、やればできる……はず。
「保険診療……レセプト……なにこれ、さっぱりわからないんだけど」
思わず本音が口から飛び出した。
蒼汰さんは仕事に行っていないから、完全に独り言になってしまったけれど。
初めて目にする医療用語で、なにが書いてあるのか理解ができない。
そう。この時間は、ずっとは続かない。
だからこそ限られた時間を大切にしようと、そう思った。
* * *
それから1ヶ月経った2月の初旬。
毎日寒い日が続き雪もちらつく中、私はマンションの1室でデスクに向かって参考書を広げていた。
というのも、医療事務の資格取得に向けて必死に勉強をしている。
フレンチを食べに行った日の帰り。
蒼汰さんは「ちょっと寄りたいところがある」と言って、その目的地へと車を走らせた。
向かった場所は、本屋さん。
そこで自分のための参考書を購入するのかと思いきや、購入したのは私が医療事務の資格取得をするための参考書と問題集だった。あと、料理の本を数冊。
まさかあの『資格は今から取得すればいい』と言っていたのは本気だったのかと、開いた口が塞がらなかった。
でも、勉強は苦手じゃない。
高校時代も成績は基本上位だったし、やればできる……はず。
「保険診療……レセプト……なにこれ、さっぱりわからないんだけど」
思わず本音が口から飛び出した。
蒼汰さんは仕事に行っていないから、完全に独り言になってしまったけれど。
初めて目にする医療用語で、なにが書いてあるのか理解ができない。



