どうしたらわかってもらえるのか、どう言えば蒼斗にも伝わるのか。
わからなくて、唇を噛んで俯いた。
その時ーー。
「あいたかったよ、パパ」
私の手を振り払い、ぴょんと椅子から降りると、蒼斗はなんのためらいもなく蒼汰さんに抱きついた。
さすがにこれには驚いた様子の蒼汰さんだったけれど、優しく蒼斗のことを抱きしめてくれる。
ずっと待っていたこの瞬間。
こらえきれずに、私の目から涙がこぼれた。
「蒼斗、待たせてごめんな」
「ぜんぜん! ママがね『パパはとおくにいる』っていってたから、まってたんだ!」
「蒼斗……っ」
思わず、私も2人に抱きつく。
まさか。まさか……あのとき適当に言った私の言葉を覚えていたなんて。
蒼斗は蒼斗なりに、私の言葉を理解してくれていたんだ。
幼いながらにこれまでの状況になにも言ってこなかった蒼斗には、感謝の気持ちでいっぱいだ。
「ママぁ、だからあお、おなかすいたの」
「えっ、あ……ごめんね」
蒼斗に同じことを2度言われ、全員が笑いに包まれる。
こんな風に家族で笑い合える日がくるなんて思っていなかったから、まだ夢みたい。
「さぁて蒼斗くん、なにが食べたいかね?」
お父様が立ち上がって蒼斗の近くまで来てくれる。
そうだ。ご両親のことも蒼斗に説明しておかないといけないよね。
わからなくて、唇を噛んで俯いた。
その時ーー。
「あいたかったよ、パパ」
私の手を振り払い、ぴょんと椅子から降りると、蒼斗はなんのためらいもなく蒼汰さんに抱きついた。
さすがにこれには驚いた様子の蒼汰さんだったけれど、優しく蒼斗のことを抱きしめてくれる。
ずっと待っていたこの瞬間。
こらえきれずに、私の目から涙がこぼれた。
「蒼斗、待たせてごめんな」
「ぜんぜん! ママがね『パパはとおくにいる』っていってたから、まってたんだ!」
「蒼斗……っ」
思わず、私も2人に抱きつく。
まさか。まさか……あのとき適当に言った私の言葉を覚えていたなんて。
蒼斗は蒼斗なりに、私の言葉を理解してくれていたんだ。
幼いながらにこれまでの状況になにも言ってこなかった蒼斗には、感謝の気持ちでいっぱいだ。
「ママぁ、だからあお、おなかすいたの」
「えっ、あ……ごめんね」
蒼斗に同じことを2度言われ、全員が笑いに包まれる。
こんな風に家族で笑い合える日がくるなんて思っていなかったから、まだ夢みたい。
「さぁて蒼斗くん、なにが食べたいかね?」
お父様が立ち上がって蒼斗の近くまで来てくれる。
そうだ。ご両親のことも蒼斗に説明しておかないといけないよね。



