再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む

ごちゃごちゃそんなことを考えているうちに目的地であるパスタ専門店に到着したようで、優太先生の車が駐車場へと滑り込んで行く。

『ラ・イルマーレ』というお店は可愛らしく、いかにもカップルがデートで訪れそうなお店だ。

いや待てよ？　今さらだけど、優太先生に彼女がいたらまずくない？
軽い気持ちで引き受けてしまったけれど、ちゃんと確認しておくべきだった。


「着いたよ。行こうか」

「あ……ありがとうございます」


結局、言われるがまま。

車を降りて一緒にお店に入ると、パスタのいい香りが鼻をくすぐる。
お腹が減っていることもあって「いい匂い。お腹空いたぁ」と、思わず口に出してしまった。

慌てて手で口を隠したものの、その声はしっかり優太先生に届いていたみたい。


「あはは、お腹空いたよね」

「す、すみません……」


恥ずかしくて俯いていると「いらっしゃいませ。お待たせいたしました」と、店員さんがこちらへとやって来て、空いている席へと案内してくれた。

窓際の、景色が見える席だ。
テーブルにはピンク色のガーベラとカスミソウが生けてあり、それがまたいい雰囲気を醸し出している。

ゆっくりと椅子に腰かけると、店員さんがメニュー表を手渡してくれた。