先生と初めてデートした日の夜に勝手にLINEでメッセージを送ったという人。
バーの店長をしていて、先生の親友だという。
どういう流れでそうなったのか分からないが、断る理由が思いつかなくて、スマホを受け取った。
「もしもし?」
『初めまして、白杜の友人の倉木 祥平といいます』
「……初めまして、五十嵐 茜です」
『ごめんね、急に』
「いえ…」
『この間はなりすましメール送ってごめんね~。ちゃんと謝っておきたくて』
「あ、…はい」
『けど、結果オーライだったでしょ。白杜、感情を押し殺すような性格してるから、分かりづらいかもしれないけど、すっげぇ真面目な奴だから』
先生の友達だというから、物凄く緊張してしまったけれど、客商売だからなのか、フランクな話し方に意外にも緊張が薄らいでゆく。
「おいっ、祥平、もういいだろ」
『あ、白杜が限界らしい。あいつ、顔には出さないけどすっげぇ嫉妬深いから』
「えっ」
『今度、白杜と遊びにおいで。美味しいお酒飲ましてあげるから』
「あ、はいっ」
『じゃあ、白杜に代って?』
「はい。……先生」
スマホを先生に返す。
珍しく眉間にしわを寄せた先生に、祥平さんがいう“嫉妬深い”という言葉を思い出してしまった。
祥平さんと話す先生は、少し乱暴な言葉遣いをする。
高校時代にも見たことのない感じで、これが親友と話す時の先生なんだなぁと、思わず嬉しくなってしまった。
「悪かったな、急に話させて」
「いえ、……先生の友達と話せて嬉しかったです」
「あいつ、何か言ってたか?」
「う~ん、お店に遊びにおいでって言ってました」
「あぁ、うん」



