カマイユ~再会で彩る、初恋



二十二階の高層階にある先生のお宅のベランダは、真夏なのに風が吹き抜けて意外と涼しく過ごせる。
夜景は絶景だし、アルコールを飲みながら好きな人と花火が見れるだなんて贅沢すぎる。

先生が作ってくれた料理はどれも美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまいそう。

「あっ、始まりましたね」
「さすがに小さいのは音と煙だけだな」
「そのうち大きいのが上がりますよ」

手摺りから少し顔を出してみて神宮外苑の周りに目をやると、イベント主催者側のアナウンスなどもあり、盛り上がっているのが分かる。

「そう言えば、先生のお盆休みっていつですか?」
「お盆休み?ほぼカレンダー通りに近いと思うけど」
「九月上旬だなんて、休み取れないですよね?」
「…取れなくはないと思うけど、何日くらい?」
「私の休みは四連くらいなんですけど、海に行こうって千奈たちに誘われてて」
「……行ってくれば?」
「千奈たちとは一泊なので、残りの休みに先生に会えればなぁと思って」

勇気を出してダメもとで誘ってみた。

「それって、泊まりってことだよな?」
「っ……先生がお嫌じゃなければ…」

先生の視線が夜景からゆっくりと私に向けられ、手にしていた缶ビールがテーブルにコトッと置かれた。

ここ最近の雰囲気と、数時間前の先生の態度と。
それと、急なお泊りのお誘いという絶妙なトライアングルがもたらすお花畑的な思考だけど…。
断わられてもそれほどダメージはない。
最初から断られるのを覚悟でお誘いしてるのだから。

「そんな可愛くおねだりされたら、嫌なわけがない」
「っっっ~~っ」