カマイユ~再会で彩る、初恋



シャワーを浴びて、洋画のDVDを観ながらビールを口にしたら、即寝落ちした五十嵐。
フライト後だったから、疲れていたのだろう。
気持ちよさそうな寝息を立てている。

前回泊めた時はやむを得ずだったが、今回はちゃんと本人の意思を確認した。
だからかな、愛おしさが格段に違う。

俺のTシャツとハーフパンツを着ている彼女を抱き上げ、寝室に運ぶ。
前回抱き上げた時も思ったが、本当に線が細くて心配になる。
こんなにも痩せていて、長時間立ちっぱなしで仕事をしているのかと思うと……。

メイクを落とした彼女は少しあどけなくて。
それでも、十年前より確実に色気は増していて。
しっかりと大人の女性に成長したのだと実感する。

ベッドの中で彼女を抱き締めながら、別れ話的な流れにならずに済んでよかったと胸を撫で下ろす。
もし『もう会えない』と言われたら、縋り付けただろうか?

もう俺の人生に、彼女のいない時間だなんて想像もつかない。
色付け始めたキャンバスを白く塗りつぶしたとしても、真っ新なキャンバスに戻るわけじゃない。
確実に地に色が残るわけで……。

「好きすぎて……怖いよ。……お前を失いたくない」

起きてる時に言えばいいのに、臆病すぎるな。

首筋にかかる吐息を感じながら抱き心地を噛みしめ、俺と同じシャンプーの香りがする柔らかい髪を撫でながら、優越感に浸る。
この贅沢な時間を、この先何度も迎えることができるだろうか。

いや、迎えれるように力を尽くさねば。
もう誰にも渡せやしないのだから。