千奈に言われて、何度も佑人を好きになろうとしてみた。
だけど、『友達』の枠をどうしても超えられない。
「優しい眼差しや誠実な態度にきゅんとしたりもするの。だけど、ドキドキしないんだよね。安心感は物凄くあるのに、男の人として彼を見れないの」
「……ホント、先輩って不器用で我が儘なんだから」
救いようがないと言わんばかりの表情をする佳歩ちゃん。
自分でも呆れてものが言えない。
佑人が恋人だったら、何不自由ない未来が待ってると思う。
だけど私の心は、佑人じゃ色付かない。
矢吹先生じゃなくちゃ……。
「あっ、そうだ。来週の土曜日、婚活パーティーに参加するんだけど、合コンに着て行くワンピースとかでいいと思う?」
「……え?今、婚活パーティーって言いました?」
「うん、言った。親がね、勝手に申し込んでて。それに参加するか、お見合いするか……」
「そう言えば、何か月か前にもお見合いしてましたよね」
「そそ、悪い病気がまた再発しちゃって」
「清楚系の合コン仕様がベストだと思いますけど、そこはあえてドン引きするくらいの恰好の方がいいんじゃないですかね」
「……あぁ、なるほど」
「別に見初められたいわけじゃないですよね?」
「もちろん!私には先生いるし…」
「じゃあ、ド派手かダサ系がいいと思います。それと、その話もちゃんと話しておいた方がいいですよ」
「え?」
「使える手は使った方がいいですよ」
「どういう意味?」
「嫉妬ですよ、嫉妬。先輩のことを女性として好きなら、少なからず婚活パーティーになんて行かせたくないと思いますし。それがきっかけで、少しは反応示してくれたら儲けもんですよ」



