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「代表。では、月曜日の九時にお迎えに上がります」
「お疲れ様、ゆっくり休んで」
「お疲れ様でした」
海外出張から帰国し、自宅があるマンションのエントランス前に到着したのが二十三時少し前。
緊張の連続で気が抜けなかった半月。
見慣れた景色に漸く肩の荷が下りた気がした。
アシダ財団の代表秘書である久保 幸直(四十三歳)は白杜をマンションに送り届け、エントランスを後にした。
深々とお辞儀するコンシェルジュを横目にキャリーケースを引き、エレベーターホールへと。
ポケットからスマホを取り出してみるが、茜から着信になっておらず、メールの受信もない。
予定だと今日と明日は公休日のはずだけれど、もう寝てしまっただろうか。
連絡してないから、予定は埋まってしまってるかもしれないな。
本当は明後日帰国予定だったが、思ったよりも仕事が捗り帰国が早まったのだ。
彼女の明日の休みに間に合うように今日中に帰国したけれど、驚かすつもりで連絡を入れていないこともあって、不安が過る。
……数時間でも会えるといいのだが。
自宅があるフロアへと降り立つと、どっと疲れが出て来た。
半月ぶりに自宅玄関のドアノブに手をかけた、次の瞬間。
一瞬、自分の目を疑ってしまった。
玄関の片隅に綺麗に揃えられたヒールが一足、視界に飛び込んで来た。
「茜っ…」
革靴を慌てて脱ぎ捨て、ルームシューズを履くことなく部屋の中へと駆け出した。
リビングのドアを勢いよく開けると、フットライトと間接照明だけの薄暗いリビングのソファに気持ちよさそうに寝ている茜がいた。
「代表。では、月曜日の九時にお迎えに上がります」
「お疲れ様、ゆっくり休んで」
「お疲れ様でした」
海外出張から帰国し、自宅があるマンションのエントランス前に到着したのが二十三時少し前。
緊張の連続で気が抜けなかった半月。
見慣れた景色に漸く肩の荷が下りた気がした。
アシダ財団の代表秘書である久保 幸直(四十三歳)は白杜をマンションに送り届け、エントランスを後にした。
深々とお辞儀するコンシェルジュを横目にキャリーケースを引き、エレベーターホールへと。
ポケットからスマホを取り出してみるが、茜から着信になっておらず、メールの受信もない。
予定だと今日と明日は公休日のはずだけれど、もう寝てしまっただろうか。
連絡してないから、予定は埋まってしまってるかもしれないな。
本当は明後日帰国予定だったが、思ったよりも仕事が捗り帰国が早まったのだ。
彼女の明日の休みに間に合うように今日中に帰国したけれど、驚かすつもりで連絡を入れていないこともあって、不安が過る。
……数時間でも会えるといいのだが。
自宅があるフロアへと降り立つと、どっと疲れが出て来た。
半月ぶりに自宅玄関のドアノブに手をかけた、次の瞬間。
一瞬、自分の目を疑ってしまった。
玄関の片隅に綺麗に揃えられたヒールが一足、視界に飛び込んで来た。
「茜っ…」
革靴を慌てて脱ぎ捨て、ルームシューズを履くことなく部屋の中へと駆け出した。
リビングのドアを勢いよく開けると、フットライトと間接照明だけの薄暗いリビングのソファに気持ちよさそうに寝ている茜がいた。



