長谷川くんが中に戻るのを、ぼうっと見ていると、原口さんが駆け寄ってきて、私の右腕に左腕を絡ませてきた。
「ちょ、みおなん!詳しく聞かせて!突然いなくなったと思ったら、どうなってそうなったのよ!?」
原口さんがニヤニヤしながら、私を問い詰める。
山本さんも私の左側に来て、私達3人はそのまま、並んで廊下を歩いた。
「長谷川くんが脅かしてきた時に、先に行けって合図出してきたのはそういうことだったんだねー。」
山本さんがニヤニヤしながら私の顔を覗き込んだ。
「え、恵子そんな合図見たの!?私全っ然気付かなかった!」
「雅、アンタあんなに大丈夫って言ってたのに、驚きすぎ。」
「だって、あんな追いかけてくるとか反則だよー!恵子は冷静すぎ!」
私の両側に立って歩く2人のやり取りを聞きながら、私はクスクスと笑った。
私達の文化祭、成功して欲しいと思っていたけど、どうやらその思いは叶ったみたい。
そして――私の恋も。
fin.



