「メガネ無かったら、キス、しやすいのかな…?」
そう言って長谷川くんが私のメガネを外した。
「長谷川くんが見えない…」
ぼんやりした視界でそう呟く。
「これなら見えるかな?」と言った長谷川くんの顔が、唇が微かに触れる距離まで近づいてきた。
穏やかな表情。
ちょっと頬が赤くなっているようにも見える。
真っ直ぐ見つめてくる長谷川くんを、私も見つめ返した。
数秒間の沈黙。
私の心臓は更にドキドキと脈打ってる。
「…澪菜、学校でメガネ外さない方がいいな。」
「え、なんで?」
「…俺が、キスしたくなるから。」
そしてまた、唇が重なった。
今度はさっきより少し長く。
長谷川くんの唇は1度離れて、角度を変えてもう1度重なった。
そして、ゆっくりと唇が離れたのを感じて目を開けると、長谷川くんは照れくさそうに笑って俯いた。
私も少し恥ずかしくなってちょっと笑う。
「澪菜、今度…」



