キミとの距離が、縮まらない。


しばらく見つめ合っていると、長谷川くんが口を開いた。


「俺、黒田さんの彼氏になりたい。」


ドクンと心臓が跳ね上がる。


こんなことを言ってもらえる日がくるなんて、思ったこともなかった。


それも、いつも憧れて、尊敬して、惹かれていた長谷川くんに。


――私も、正直な気持ちを伝えよう。


「…私も、長谷川くんの彼女になりたいです。」


僅かに声が震える。
私の言葉を聞いた長谷川くんは、ホッとしたような、嬉しそうな顔をして、私の目を真っ直ぐ見つめた。


「なって。俺の彼女に。」


長谷川くんの顔が近づき、私達の唇はゆっくりと重なった。


カシャ


唇が触れたのと同時に、メガネに長谷川くんの顔が当たってしまった。


2人でフフッと笑う。


私のファーストキス。


すごくドキドキして、すごく幸せだった。