キミとの距離が、縮まらない。


しばらくしてから、次の受付担当の人がきたので、私は長谷川くんとのことを考えるのを一旦やめて、引き継ぎをしてから教室に向かった。


――そう言えば原口さんに、受付終わったら一緒に見て廻ろうって誘ってもらったんだっけ。


一旦教室の方へ戻ってみると、原口さんと山本さんが、私達のクラスのお化け屋敷の列に並んでいるところだった。
原口さんが私を見つけて手招きしながら呼んでくれた。


「あ!みおなん、おつかれー!こっちこっち!」


――みおなんって……私のこと!?


びっくりしながらも2人に近づくと、山本さんと原口さんが私の入るスペースを空けてくれた。


「ちょうどよかった!3人で一緒に入ろーよ!お化け屋敷だけど、自分達の作ったお化け屋敷だからなんだかワクワクー!」


原口さんがニコニコしてる横で、山本さんがいつもの冷静な表情で原口さんを見下ろして言った。


「とか言って、1番叫んでそうだけどねー。」


「んなっ!そんなことないもん!仕掛けもわかってるし!」


そんな話を、私は隣で聞いてクスクス笑った。