キミとの距離が、縮まらない。


ふと、長谷川くんに言われたことを思い出す。


『黒田さんが嬉しい時は、ありがとうって言ってもらえた方が、俺も嬉しいんだけど』


「あのっ…!」


私がそう声をかけると、原口さんと山本さんは「ん?」と言ってこっちを見て、私の言葉を待ってくれた。


「…ありがとう。」


私がそう言うと、2人は「どういたしまして!」と言って、にっこり笑ってくれた。そして「一緒に教室に戻ろ!」とも。


「優しいね、2人とも。」


私がそう言うと、原口さんと山本さんは目を見合わせた後に、にっこりと笑った。


「うちら、黒田さんのこと好きになっちゃったからねー」


「そうそう。学級委員も、企画委員も、毎回みんなのために一生懸命動いてくれてるから、感謝してる。いつもありがとうね。」


――2人共…。


「ありがとう…。」


原口さんと山本さんの優しさが嬉しくて、涙が溢れる。


2人は私が泣き止むまで、私の肩を抱いて、一緒にいてくれた。


今までずっと1人孤独で、味方なんていないと思ってた。


でも、そうじゃなかったみたいだ。