「いるよー! 実はね、みんなの歳ぐらいから付き合ってる人なの」

 恋人の話をする先生は、幸せそうにみえた。そしてもうすぐ結婚するらしい。

「先生は、私たちぐらいの時からお付き合いしてるのかぁ」

 友紀ちゃんはしんみりとしていた。

「みんなは好きな人とか、いないの?」

「私は、いないな」
「私も」

 先生が質問すると、他の女子ふたりはそう答えた。

「華恋ちゃんは?」

 ひまりちゃんが聞いてきた。

「えっ? 私?」

 突然聞かれて私は焦る。

「わ、わたしは……」

「神谷くんとかは?」
「……」
「もしかして、正解だった?」

 ひまりちゃんの質問にドキッとして、包丁で軽く指を切っちゃった。

「痛っ!」