「じゃあ『1』のチームから順番に隠れて!」

 叔父さんの声がさっきよりも弾んでいた。ふたりずつ暗い廊下に出ていく。

 私は最後のチーム。
 そして同じく最後まで残った私のチームの相方は……なんと、神谷くんだった。

「じゃあ、行こうか」
「うん」

 私たちが部屋を出て5分後ぐらいに探し始めるらしい。
 廊下に出ると真っ暗。古くて広い建物の雰囲気との相乗効果で怖さが増す。

 神谷くんが懐中電灯で辺りを照らした。

「私、ちょっと怖いかも……」
「大丈夫だ。怖くない」

 神谷くんはそう言い切った。

 かっこいいな、神谷くん。

 いつも堂々としてて、今も彼といると怖さが少し和らいでいく気がする。

「どこに隠れよっか?」
「1階に隠れるか……とりあえず俺についてきて?」
「分かった。あぁ、なんかやっぱり怖いかも……」

 そう言うと、神谷くんが私の手をギュッと握ってくれた。

 暗いせいか、いつもよりもひとつひとつの音が大きく聞こえる。
 それすらも怖い。

 ミシミシっとなる階段を踏み外さないようにゆっくり下りていく。

「本当に真っ暗だね」
「あぁ……」
「これで幽霊と出会ったりしたら、一生トラウマになりそう」
「あぁ……」

 手を繋いでいるドキドキと怖いドキドキが胸の中で混ざって、私の心臓の音が激しい。それを彼にさとられないようにしながら歩いている。

 リンリンリン……。

 1階の廊下を歩いていると背後から音が聞こえた。