夕日の差す今この場所で

 この気持ちを伝えたい。

 どちらも言葉を発さない静かな空間。

 空間というには広すぎる屋上だけど、私にとってはそう思えるぐらいだった。

「すー」

 宮川君の息を吸う音が聞こえる。

――振られたかも…

 少し身構えた私を見て、

「茜」

 えっ、

 びっくりして顔をあげる。

 だって、宮川君が私のことを名前で呼んだことなんてなかったから。

 二人の目が合う。










「ずっと前から好きでした」