7月の半ば。



もう既に暑い朝を、手につけた腕時計を見ながらスポーツバッグをチャリの荷台に置いて肩から斜め掛けして、学校へと向かう。



7時半から8時まで行う朝練に向かうためだ。



現時刻、7時15分。



いつも通りの道を、いつも通りに余裕を持って、いつも通りに、進んでいった。



学校に着いたのは7時20分。



そこから体育館玄関へ向かい、中に入る。



…が、何かおかしい。



体育館にはボール籠が出ていないどころか、誰1人いない。



いつもなら、もうひよりが準備をしていて、





『おはよ、飛田』





なんて言ってくるはず。