「なぁ湯地優香さん」


段々と壁に押し寄せられて、背中がついてしまった。


「な、なんですか、、、、」


「俺と付き合わねぇ?」


、、、、、、。


「はぁ!?」


何を言っているんだ、この人は!?突然の告白に私は完璧混乱した。
でも、何故か違和感を覚えた。


彼の瞳に私は映っていなかった。


「あー、なるほどね」


「は?何が言いてぇんだ?もちろん、付き合うだろ?俺と」


「あなた、私のこと好きじゃないんですね。嘘コクしてくるなんていい度胸じゃないですか」


そう言った途端、彼の目つきが急変した。
その目はまるで、狼のようだった。


「チッ。あー、マジでつまんねぇ」


「お前なんかと付き合うわけねぇじゃん、だってお前つまんねぇもん」


「は、、?」


こいつの言ってることは正しい。いっつも優等生してるつまらないやつだって。
つまらない。何度聴いただろうか。


「いいわよ」


「貴方と付き合ってあげる。ただし、条件がある」


「私のことを絶対に好きにならないこと」



条件を突き出し、彼を見ると笑っていた。
「おもしれぇ」ただ一言そう言って、私たちは正式に付き合うことになった。


これからどうなるかなんて全く考えてないけれど、こいつを離すのは私のプライドが許さない。


「じゃあこれからよろしくなぁ、湯地優香」


「望むところよ」


これでもう私たちはこれから、今までどうりの日常は送れないだろう。
そんな覚悟を背負い、彼に口付けを交わした。