後夜祭のシンデレラ

「それで……プレゼントなんだけど、準備できてなくてさ。まさか今日こうして話せる機会があるとは思ってもなかったから。それにダメもとで探してたから、雨宮さんのこと。もう帰ってる可能性だってあったわけだし」

「そうですね……。というか、プレゼントなんて別に……気にしないでください! 湯浅先輩が気持ちを伝えてくれただけでもう、胸がいっぱいなので」

「でもそれだと、後夜祭のシンデレラの意味がないから、ひとつだけプレゼントさせて?」

 そう言った直後、湯浅先輩が私を自分の方へ引き寄せ、そっと頬にキスをしてくれた。

 紛れもなく、それは……私にとってのファーストキスだ。

「なっ……今、の……」

「もし嫌だったらごめん。……一応、唇だけは今回は控えたよ。さすがにいきなり唇だと……明日以降、雨宮さんに避けられそうな気がしたから」

「それはっ……まぁ……その可能性もありますね……」

「やっぱり?」

 そう言って、笑う湯浅先輩。