「……気づいて、しまったんですね。僕の推測でしかありませんが――恐らく。ですが姉さん。もし仮に僕が助からなかったとしても、自分を責めないですください。姉さんは何も悪くありませんから」

 オリアーナはレイモンドを包み込むように抱き締めて、肩に顔を埋めた。泣きそうになるのを、下唇を噛んで堪える。

(ごめんね。不甲斐ない姉さんで、ごめん……。レイモンドの気持ちを少しも分かってあげられなかった。一人で抱えさせて、ごめん)

 けれど、謝罪の言葉を口にすることはできない。レイモンドが自分を責めてほしくないというなら、そういう素振りを見せたくない。

「大丈夫。きっとよくなるから。レイモンドは助かるって……姉さんはそう信じてる」
「…………」

 オリアーナの腕の中で、彼は言った。