「姉さんのこと、頼みますよ」
念を押すように告げたあと、蝶が光の粒になって離散した。その直後。部屋の扉が乱暴に開け放たれる。
「頼んでほしいなんて、私は言ってない」
険しい表情で、オリアーナが立っていた。
「盗み聞きするなんて、姉さんらしくないですね」
「早く元気になって……学校に行くんでしょ? 学校を卒業して、魔術士団に入って出世するんでしょ……?」
「ふ。父さんや母さんみたいなこと言わないでくださいよ。僕は地位や名誉には興味ありません」
出世を願っているのは両親だけだ。もし魔術士団に入ったら、出世のためではなく、ただ人々のために力を尽くしたいと思っている。



