「なぁお前さ、最近も魔力増幅が続いてんのか?」
「……魔力増幅?」
「ほら、随分前に悩んでるって言ってただろ。こう……内側から何かが爆発するような感覚がたまにしてしんどいって。心配してたんだ」

(何それ……)

 レイモンドがリヒャルドに相談していたようだが、オリアーナは一度もそんな話を聞いたことはなかった。もし、今の彼の体調不良が、その魔力増幅と関係しているなら……。なぜ彼は、そんな重要なことを伏せていたのだろうか。

「……もう、平気です」
「そっか。ならいーけど」

 結局その日は、リヒャルドの言葉が引っかかって勉強に集中できなかった。