でも、セナが言う『可愛い系』は果たして当てになるのだろうか。オリアーナは生まれてこの方かっこいいと言われることはあっても、可愛いと言われることはなかった。セナという例外は除いて。多分この盛り上がっている男子生徒たちも、本物のオリアーナと対面したらがっかりするだろう。
「ぜっったい紹介してくださいよ! 殿下!」
「う、うん。まぁ、機会があればそのうち……」
「確か彼女、婚約解消して今はフリーなんですよね!」
「でも好きな人いるから……」
弾みでそう漏らすと、横から「……は?」という声が聞こえた。セナがいつになく険しい顔をしている。
「――ちょっとこっち来て」
「わっ、セナ。そんな引っ張らないで……っ」
強引に腕を引かれ、廊下に連れ出される。
「好きな人できたってどういうこと? なんで黙ってた」
「なんで黙ってたって……。そんなの私の勝手でしょ」
言えるはずない。だって、オリアーナが好きなのはセナだから。顔をふいと逸らせば、手で顎を持ち上げられ、強引に目を合わされる。彼の表情はいつになく余裕がなくて。



