始祖五家アーネル公爵家の元当主であった彼だが、ずば抜けた能力がある訳ではなかった。それに強い劣等感を抱いており、自分の代わりに血を継ぐレイモンドに功績を残させようとしたのだ。

 相変わらず、オリアーナの身代わり生活は続いている。
 両親が家を出て行き、レイモンドの替わりに学院に通う必要はなくなったので、学校に不正入学について自白した。そこで、先生たちの会議で処遇が決まるまで今の生活を続けることになったのだ。

「あの……殿下のお姉様は、どのような方なんですか? 次期聖女だなんてすごいですね!」
「片方は始祖五家始まって以来の逸材、片方は聖女って……最強双子ですね!」