美人爆命!?異世界に行ってもやっぱりモテてます。

幸いなことに、御屋敷の中で男性用の服をみつけた。
簡素なズボンとシャツだ。
サイズ的にもなんとかなる。
私の寝室の外には、常にメイドさんがいるけれど、夜中はたいてい眠っている。
そのおかげで、男性の服も探しに行けたんだ。



ここにいるのはあと二日。
ギリギリだとなんか心配だから、明日、ここから逃げ出すつもりだ。







「じゃあ、おやすみなさい。」



次の日、私は極力、いつもと変わらない態度で過ごした。
夜になり、寝室でそっと隠しておいた男性の服に着替えた。



深夜になり、私は今日は窓から庭に出た。
暗くてよく見えない。
身をかがめそろそろ歩く。
門は閉まってるけど、門番はいない。
出来るだけ音を立てないように門を開き、ならず者の町の方へ走った。
だいぶ離れてはいるみたいだけど、遠くに小さな灯りが見える。
きっとあそこだ。
私は、真っ暗な森の中を全速力で駆け抜けた。
今のところ、追いかけて来る者はいなさそうだ。
それでも油断は出来ない。



息が苦しくなって、一旦立ち止まり、息を整える。
汗が顔から吹き出した。
町の明かりはさっきよりちょっと大きくなっている。
そのことが大きな力となった。



(頑張るぞ!)



私はまた走り出した。