美人爆命!?異世界に行ってもやっぱりモテてます。





(……ん。)



いつの間にか寝ていたみたいだ。
あたりが明るくなってるところを見ると、夜が明けたんだ。
私の周りは何の変化もなく、与えられた寝室。



(やっぱり、夢じゃないんだ。)



また涙が溢れる。



私、こんなに泣き虫だったっけ?
あ、そっか。ここに来て、いろんなことがあったから、メンタルやられたんだね。
ま、いっか…
どうせ数ヶ月したら死ぬんだし、もうどうでも良いよね。



メイドさんが朝食に呼びに来てくれたけど、食べる気にはならないから断った。



「本当に宜しいのですか?
お好きなものをお好きなだけ召し上がれるのは、今週だけですが…」

「え?
どういうこと?」

「ですから…今週は、お好きなものをお好きなだけ、召し上がれます。
来週は、野菜のみになります。
再来週はハーディッシュの汁のみになります。」

「……ハーディッシュって何?」

「ハーディッシュは、滋養強壮作用のある植物です。」



なるほど。
女王様に体を引き渡す前に、体の中を綺麗にしとくわけね。



そっか。
おいしいものが食べられるのは今週だけなんだ。
でも、おいしいものを食べたって、どうせ死ぬんだし…



だけど…確かに悔しいよね。
好きな物も食べられずに死んでいくなんて…