こうしてちゃんと話すのは結構久しぶりで、ほんの少し照れくさい。


「あんなに小さかった愛華も高校3年生か……。誕生日がきたら18歳になるんだもんなぁ。時が経つのは早い」


「それ東雲さんも美鈴ママも言ってた!」

 
おじいちゃんは「そうか」と穏やかに笑った。


そして急に真剣な顔つきに変わって、真っすぐこちらを見ている。


「・・・実はな、愛華に縁談の話が来てるんだ」


「・・・・え?」


ちょうどその時、庭にあったししおどしが〝コン〟と音を立てた。


軽快なはずのその音が、私にはやけに重く響いて聞こえた——。