2019年 冬 現在
Side 愛華


「ここまで我慢してたから、今日は寝れないと思ってください」


ホテルのベッドに横たわる私に紺炉が覆いかぶさる。


ようやく、ついに。この時を迎えられた。


私はそれを確かめるように紺炉の顔に手を伸ばす。


結婚式は、家族・親戚だけの神前式、その後このホテルで友人も呼んだ披露宴を開いた。


ここからは2人だけの時間だ。


「敬語じゃない紺炉ってなんか新鮮だね!」


「コラ。今日から愛華も〝紺炉〟なんだから、俺のことも名前で呼んでもらわないと」


今までずっと〝お嬢〟呼びで敬語だったくせに、こんなあっさり切り替えられるなんてズルい。


名前を呼ばれただけでこんなにドキドキさせられてるんだから、この先心臓がもたないかもしれない。


「か、かなめ……サン」


かなりぎこちなくではあったけれど、勇気を振り絞って呼んだというのに、紺炉は顔を押さえてしばらく押し黙っていた。


「やばい、想像以上に破壊力が……」


私の胸に顔を埋めてきた紺炉が可愛くて思わず頭を撫でる。
 

「もう1回名前呼んで」


「え?か、かなめさッ……」

 
「もう1回!」


「かなめッ……んんッ!」


自分が呼べと言ったくせに、私が口を開こうとすると啄むようなキスをしてくる。


僅かにあいた隙間から紺炉の舌が入ってきた。


容赦なく口内を弄りまさぐり舌を絡めてくる紺炉についていくのが精一杯で、私は息の仕方もわからなくなった。


唇が離れる一瞬で頑張って息を吸い込む私を見て紺炉はクスクス笑ってくる。


「もう笑わないでよっ!!」
 

「可愛くてつい。でもまだまだここからだけどな」


バスローブの紐を解かれ、はだけた私の胸元に紺炉が手を這わせる。


先端を舌で転がしたり甘噛みしたりと紺炉はとても楽しそうだ。


私はその度に訪れる刺激に身体をビクッと反応させる。


「ココ弱いな」


弱いところは優しくするのではなく、さらに弄るのが紺炉のやり方らしい。


先端を触られながら、紺炉の唇がだんだんと胸から下腹部へと滑りおりてくる。


ショーツの上をなぞられると自分でもじんわりと濡れているのが分かる。


長くて少しゴツゴツした紺炉の指が1本、2本と増えていき、私のナカを優しく掻き回す。


その度に信じられないような声が出てしまい私は何度もイカされた。


「なんか私ばっかりでヤダ!」


「え?」