2014年 春 現在
Side 愛華


「お嬢、ご飯できましたよ。昨日の夜から何も食べてないからお腹空いたでしょう?」



昨晩から自分の部屋にこもる私に、こうして何度も声をかけてくるのは、紺炉(こんろ)(かなめ)


私が生まれた時からの世話係にして、私の想い人。


そう、私・五十嵐(いがらし)愛華(あいか)は、五十嵐組という極道の家に生まれたたった1人の孫娘なのだ。