白い菫が紫色に染まる時

でも、今は体を動かす気になれない自分がいることに気づく。
やはり、高校生から大学生への変化は大きいのかもしれない。
そもそも、大学生にもなって、雪が降ったことに大喜びする人の方が少ないのではないだろうか。
もう、無邪気で無垢な子供ではないのだ。

楓さんは大人びていると思いきや、子供のような無邪気なことを言い始めることがある。
そういうところが、彼の魅力でもあるとは思うのだけれど。

とりあえず、私はこの雪の中で外に出る準備をすることにした。
下着の上には超極暖のヒートテックを着て、セーターにダウンを羽織る。
雪が降っているのだから、手袋も百均で買った普段使い用のものでは手沁みるだろう。

そう思い、こちらに来てからは開けることのなかった段ボールを棚の奥から取り出した。
その段ボールには、向こうで荷造りをしているときに、持っていくか持っていかないか迷ったが結局こちらに持っていくことにした物が入っている。
その中に防寒具を入れてあった。
段ボールを開けると、あの使い古したマフラーもあった。

白いマフラー・・・・・・・。

白澄から誕生日プレゼントに貰ったものだ。
私は、そこに置いてあった白いマフラーを、一度迷ったけれども、一年ぶりに首に巻く。
そして、外に出ると既に雪の上に寝転んでいる楓さんがいた。
ちょうど、同時に蓮も家から外に出てきて、そんな楓さんを見て私と同様に驚いていた。

「楓さん、そんなところ寝転んだら汚いですよ」
「なんだよ。蓮も一緒に寝転ぼうぜ」

蓮くんはそんなことを言いながらも、純粋に雪を楽しんでいる楓さんを見て、微笑ましそうに笑っていた。

「ところで、雪合戦と雪だるま作るのどっちがいい?菫ちゃん雪国育ちだったよね。菫ちゃんが好きな方やろうよ」
「私はどっちでもいいですよ」

適当に流してしまったが、雪合戦は体力的にきついので、雪だるまを作る方が良いと言えばよかった。

「え~、じゃあ蓮は?」         
「僕は雪だるまがいいですかね」

意外だった。蓮くんはどちらでもいいと言うと思っていた。

「じゃあ、雪だるま作ろうぜ。それで誰がイケメンな雪だるまを作れるか勝負な」
「イケメンな雪だるまって・・・そんなの誰がわかるんですか?」

何をもって、イケメンの雪だるまと定義するのか問い詰めてもきっと適当に言っただけで、答えはないのだろう。

「そういえば、私、雪だるま作るの初めてかも・・」