白い菫が紫色に染まる時

そして、年が明け、東京でも凍える季節になった。
布団の中にいても、凍えるような寒さを感じ、私は目を覚ました。
せっかくの日曜日だというのに。

そういえば、今日は東京でもゼロ度を下回ると天気予報で言っていたような気がしなくもない。
カーテンを開けて、外を見ると雪が降っていた。
しかも夜に激しく降り続いていたのだろう。
かなり、積もっている。
やはり、雪を見ると冬がきたことを実感する。

そして、あの場所とあの時間を思い出す。

最近は、すっかり思い出すことはなくなっていたが、やはり私の中に根を張るようにあの時間は存在しているようだ。

元気にしているだろうか・・・。

向こうは、ここより雪が積もっていて、ここよりも寒いのだろう。

「うう、寒い」

私は、再び布団に潜り込もうとしたその時に携帯電話が鳴った。
楓さんだ。隣にいるのだから、インターホンを押して訪ねてくればいいのにと一瞬思ったが、まだ早朝だった。
一応、彼なりの配慮だろう。

「はい。何ですか?」

私は思わず欠伸をかいた。

「なあ、雪降ってるぜ。お前、今日バイトある?」
「ないですけど・・・・」
「お!!ちょうど良かった。雪遊びしようぜ。蓮も誘ったから」
「え、雪遊びですか?ちょっと、楓さん??」

そう呼びかけた時には、既に電話が切られていた。
それにしても、楓さん朝からすごくテンションが高かった。
雪が積もったことがそんなに嬉しかったのか。

相変わらず、私は寒いのは好きではなかった。
けれども、蓮くんを一人であのテンションの楓さんの雪遊び相手をさせるわけにはいかないと思った。
そうすると、自然と私には雪遊びするという選択肢しか残っていなかった。

最後に雪で遊んだのは、二年前だ。
チーズ工場の裏で、みんなで。
あの時の雪合戦は楽しかったし、私も寒いことを除けば雪遊びは好きだった。