私は彼の持っている飲み物がお汁粉であることに今更気づいた。
そして驚きのあまり、彼の言葉を遮ってしまった。
「何だよ。悪いか?」
「いや、別に悪くはないけど。前にここで飲んだ時、お汁粉って冬にしか飲まないよね~って話したじゃん」
「今、飲みたい気分だったんだよ」
そう言う彼の手にはコーヒーをかき混ぜる時に使う小さなスプーンが握られていた。
「あ、ところで、何?」
「え?」
「さっき、何か言いかけてたじゃん」
私は遮ってしまった彼の言葉を尋ねたが、「いや、何でもない」とはぐらかされてしまった。
その時、彼の後ろの壁に貼ってあるポスターを見て、今日ここに来た目的を思い出した。
「あ、そうそう。今週の土曜日、夏祭り行かない?」
「毎年、行ってるやつ?」
「そう。毎年、行ってるやつ」
「良いけど。菫は大丈夫なの?」
「勉強のこと?まあ、一日くらい息抜きしても良いでしょ」
私はそう言いながら、腕を伸ばしたり曲げたりして肩甲骨を動かし、ストレッチをする。
最近、ずっと教科書に向かっているからか肩が凝っている。若い時からこんなんで将来どうなるのやらと先が思いやられる。
「白澄が陽翔のこと誘っといて。あ、あと日向たちも連れてきてよ。多い方が楽しいし」
雪合戦の日以来、顔を合わせることはあるが、彼女たちと一緒に遊んでいないことを思い出した。
「ああ・・。うん、わかった」
彼が曖昧に返事をした。
「楽しみだね。一緒に出かけるの久しぶりだし」
私はそう言って彼の仕事の邪魔にならないよう、早々に帰宅した。
そして、夏祭り当日。
私は少し駆け足で家を出た。集合時間に遅れそうなので、もう少し速く走りたいのだが、浴衣と下駄のせいでそうもいかない。高校三年生にもなって浴衣なんて面倒だったのだが、祭りに行くと言ったら母親が喜々とした表情で押し入れから浴衣を出してきたので、断れなかった。白い菫の花が描かれた浴衣だ。待ち合わせ場所にはすでに二人が来ていた。
「ごめん。遅れた」
「いや・・・、俺らもさっき来たから大丈夫」
私は足を止めて息を整える。
「おお、浴衣着てんじゃん。似合ってるよ。俺も着てくれば良かった」
「いや、浴衣は面倒だから、私服で正解だと思うよ」
「そんな悲しいこと言うなよ~」
そして驚きのあまり、彼の言葉を遮ってしまった。
「何だよ。悪いか?」
「いや、別に悪くはないけど。前にここで飲んだ時、お汁粉って冬にしか飲まないよね~って話したじゃん」
「今、飲みたい気分だったんだよ」
そう言う彼の手にはコーヒーをかき混ぜる時に使う小さなスプーンが握られていた。
「あ、ところで、何?」
「え?」
「さっき、何か言いかけてたじゃん」
私は遮ってしまった彼の言葉を尋ねたが、「いや、何でもない」とはぐらかされてしまった。
その時、彼の後ろの壁に貼ってあるポスターを見て、今日ここに来た目的を思い出した。
「あ、そうそう。今週の土曜日、夏祭り行かない?」
「毎年、行ってるやつ?」
「そう。毎年、行ってるやつ」
「良いけど。菫は大丈夫なの?」
「勉強のこと?まあ、一日くらい息抜きしても良いでしょ」
私はそう言いながら、腕を伸ばしたり曲げたりして肩甲骨を動かし、ストレッチをする。
最近、ずっと教科書に向かっているからか肩が凝っている。若い時からこんなんで将来どうなるのやらと先が思いやられる。
「白澄が陽翔のこと誘っといて。あ、あと日向たちも連れてきてよ。多い方が楽しいし」
雪合戦の日以来、顔を合わせることはあるが、彼女たちと一緒に遊んでいないことを思い出した。
「ああ・・。うん、わかった」
彼が曖昧に返事をした。
「楽しみだね。一緒に出かけるの久しぶりだし」
私はそう言って彼の仕事の邪魔にならないよう、早々に帰宅した。
そして、夏祭り当日。
私は少し駆け足で家を出た。集合時間に遅れそうなので、もう少し速く走りたいのだが、浴衣と下駄のせいでそうもいかない。高校三年生にもなって浴衣なんて面倒だったのだが、祭りに行くと言ったら母親が喜々とした表情で押し入れから浴衣を出してきたので、断れなかった。白い菫の花が描かれた浴衣だ。待ち合わせ場所にはすでに二人が来ていた。
「ごめん。遅れた」
「いや・・・、俺らもさっき来たから大丈夫」
私は足を止めて息を整える。
「おお、浴衣着てんじゃん。似合ってるよ。俺も着てくれば良かった」
「いや、浴衣は面倒だから、私服で正解だと思うよ」
「そんな悲しいこと言うなよ~」
