参考書を見たくらいで、学校で教わることの全てを得られるわけじゃない。



学校には授業でしか学べないこともたくさんある。


でも、

『自分なりに勉強だけはしようと思って。』





人と上手く関われない自分。

勉強もなにもわからないんじゃ、本当に何の意味もない人間になってしまう気がした。




「すっげー!俺、学校行ってても頭悪いぜ?あさ美、俺に勉強教えてくれよ。」



陸が真面目な顔でそんなことを言いだすから

私は思わず笑ってしまった。





「やっと……………笑ったな。」



陸は私からその視線をそらすことはなかった。





「あさ美少し痩せたんじゃね?ちゃんと食ってんのか?」




いきなり落ち着いた話し方になる陸。



『食べてるよ。』




陸は男だから、

私はいくら悩んでいても言えない時がある。


でもただ幼なじみという、過ごしてきた時間の長さで私のことを理解してくれている優しさが嬉しかった。



「そうか。じゃあ、俺そろそろ帰るわ!また来るな!」




陸は元気な笑顔を残して、帰っていった。