「あさ美!大丈夫だ!!お前は一人じゃない!!
大丈夫…ほら、早く俺の手握れ!」




陸が一歩私に近づき、手を差し伸べてきた。





陸の目は

なにバカなことしてるんだ、と私に叫んでいる。




死ぬな



そんなバカなことするな







そのとき私には、そんな彼の言葉も全く耳に入らず



私はまるで死ぬことを恐れていないかのように軽く地面に力を踏み込んで





屋上から飛びおりた。





「あさ美ー!!!!!」








だって



私は

死ぬことよりも生きることの方がよっぽどバカなことだと思ったんだ。




空中を落ちていくという感覚は不思議なものだった。





景色を記憶するのはなんだか嫌だったので


私は地に着くまでに瞳を閉じた。