『…ねぇ陸…お願い。学校で私を助けたりしないでね?』



私は陸に全てを話すことで一番心配だったことを口にした。


『約束して、学校では私には関わらないって。』



「そんな………あさ美がイジメられてんのにっ…」

『男子が思う以上にね、女子ってややこしいの。だからお願い。陸を巻き込みたくないの。』

「でも……………」




陸は切なそうな顔をした。全てを聞いたのに、守ることも許されない。

それを嘆いているような表情だった。



『ごめんね。いつも心配してくれてるのに。でも大丈夫だから………』




「あさ美…………」






陸はしばらく黙ったあと、

静かな声で言った。



「じゃあ…………せめて泣けよ。俺、何もしてやれねーから……俺と2人の時は無理すんな。何でも言え。泣きたかったら、泣けよ。」





私は
ありがとう、と答えて

陸の胸を借りて泣いた。