***
エレベーターに乗って。八階に着いて。
「由比加!?」
私の家の前には真守がいた。
「どこ行ってたんだ、心配したんだぞ!」
「ごめん、ちょっと学校まで……でも、大丈夫だった!」
月森くんがいたから。と、真守に紹介しようとしたところ、いつの間にか月森くんは姿を消していた。
「学校に行くなら、連絡くらい寄こせよ。メッセージ、全然既読にならなかったんだけど」
「あ……ごめん、マナーモードにしてた」
スマホを見ると真守からの着信履歴とメッセージがそれぞれ十回以上送られてきていた。
真守、そんなに心配してくれていたんだ。
「はー……とにかく、良かった。初日から不安にさせるなよ……」
真守は、私の肩に腕を回し、私の身体を抱きしめた。
「守るって言って、守れないの。かっこ悪いだろ」
「ご、ごめん……」
真守は黙ったままぎゅっと私を抱きしめる。
いつの間にか真守も男の子になっていたみたいで、大きな身体が私の身体を引き上げるようにして包み込んでいた。
その事実に、ちょっとだけむず痒くなる。
ただの幼馴染だったはずの真守が、少しだけ遠い存在になったような。
それでいて、ちょっと近すぎると感じるような。
真守の鼓動が真守を支える私の手のひらに伝わる。
早いのか遅いのかはわからないけれど。
「あれ、ちょっと待って……」
「ひゃいっ……!?」
真守が私の首筋を撫でた。
思わず変な声が出る。
「この二つの赤い点は何?」
そこは。
月森くんに食まれた跡だった。
どうする? 正直に言っちゃおうか?
でも、ダメだ。月森くんが吸血鬼だってバレちちゃう。
寝惚けていたとはいえ、私に襲いかかったなんて知ったら、真守は黙ってない。
「え、えー? 蚊に食われちゃったかな。じゃ、私帰るから! また明日ね!」
真守の身体を押しのけると、私は家へと帰った。
お父さんとお母さんはすっごく心配してくれていた。
私は何も言わずに家を出てしまったことを申し訳なく思った。
二人は、銀のナイフをしまうホルスターを用意してくれた。
これにナイフを納めて、太ももに巻き付けて、持ち運ぶらしい。
今度から出かけるときはきちんとつけるようにと、念を押された。
どうせならもっと可愛いデザインだったらよかったんだけどな。……っていうのも変か。
エレベーターに乗って。八階に着いて。
「由比加!?」
私の家の前には真守がいた。
「どこ行ってたんだ、心配したんだぞ!」
「ごめん、ちょっと学校まで……でも、大丈夫だった!」
月森くんがいたから。と、真守に紹介しようとしたところ、いつの間にか月森くんは姿を消していた。
「学校に行くなら、連絡くらい寄こせよ。メッセージ、全然既読にならなかったんだけど」
「あ……ごめん、マナーモードにしてた」
スマホを見ると真守からの着信履歴とメッセージがそれぞれ十回以上送られてきていた。
真守、そんなに心配してくれていたんだ。
「はー……とにかく、良かった。初日から不安にさせるなよ……」
真守は、私の肩に腕を回し、私の身体を抱きしめた。
「守るって言って、守れないの。かっこ悪いだろ」
「ご、ごめん……」
真守は黙ったままぎゅっと私を抱きしめる。
いつの間にか真守も男の子になっていたみたいで、大きな身体が私の身体を引き上げるようにして包み込んでいた。
その事実に、ちょっとだけむず痒くなる。
ただの幼馴染だったはずの真守が、少しだけ遠い存在になったような。
それでいて、ちょっと近すぎると感じるような。
真守の鼓動が真守を支える私の手のひらに伝わる。
早いのか遅いのかはわからないけれど。
「あれ、ちょっと待って……」
「ひゃいっ……!?」
真守が私の首筋を撫でた。
思わず変な声が出る。
「この二つの赤い点は何?」
そこは。
月森くんに食まれた跡だった。
どうする? 正直に言っちゃおうか?
でも、ダメだ。月森くんが吸血鬼だってバレちちゃう。
寝惚けていたとはいえ、私に襲いかかったなんて知ったら、真守は黙ってない。
「え、えー? 蚊に食われちゃったかな。じゃ、私帰るから! また明日ね!」
真守の身体を押しのけると、私は家へと帰った。
お父さんとお母さんはすっごく心配してくれていた。
私は何も言わずに家を出てしまったことを申し訳なく思った。
二人は、銀のナイフをしまうホルスターを用意してくれた。
これにナイフを納めて、太ももに巻き付けて、持ち運ぶらしい。
今度から出かけるときはきちんとつけるようにと、念を押された。
どうせならもっと可愛いデザインだったらよかったんだけどな。……っていうのも変か。
