だけどこの場の雰囲気を壊すのは良くないからいいよと言う意味で頷く
そしたらあとはもうトントン拍子で進んでく
2人で住む家も京一家が決めていたらしく、私のご両親が承認しそこに決まった
結婚届に氏名を書き、あとは提出するだけの状態となった
やっとやるべきことを終えたらしく、お開きにするらしい
こっからはもう2人暮しだ……
そういえば服とかどーしたらいいんだろう
こんなことになるとは思ってなかったから何も用意してない
「杞憂」
「煌牙くんに一切迷惑かけるなよ。身の程をわきまえて接しろ。お前なんかが逆らうなよ。煌牙くんと一緒に行け。」
突然お父様に耳元で呟かれた
京一家そしてお母様には聞こえないくらい小さな声で
まるで私がどうなったって構わないんだ
自分の利益しか考えてない
最後くらいなにか言ってやりたかったけど、言える状況ではなくただ頷き、それに従う
「煌牙様、お車ご一緒してもよろしいでしょうか。」
「そうだね、一緒に行こうか。」
そう言うと京様は車のドアを開け、私に乗るよう促す
「ありがとうございます。」
笑いかけるように感謝し煌牙様の手を取り、車へ乗り込む
本当は新しいお家の場所なんて執事が分かっている
でもそれでも一緒に行かせるのはお父様の優しさじゃない
ただ別々で新居に行ったのが後々自分の不利益にならないため
車くらいは一人の時間欲しかったな……

