本能が誰かを求めてる



まるで私が拒否するかの言いよう





でもそれは仕方ない。






前回のお見合い相手を突き飛ばして逃げたから




拒否した過程に何があったかなんてこの親は興味が無い



私のためではなく自分のため




だから反抗したって無駄


「存じ上げてます。もうあのような失態はしません。」



まるで肯定ロボットのような言葉




自分で言ってて吐き気がする





「失礼します。お見合いのお時間になりました。奥様、旦那様はあちらの車へ、杞憂様は私にご同行お願い致します。」





思ったよりお見合いの時間が早い




いつもは午後からなのに





まぁいいや。





「杞憂様はこちらの車になります。」



そう言ってドアを開き私を誘導する





私だけが別の車なんて慣れたもの




まぁ、両親と同じ車なんて苦痛以外のなんでもないけど





そんなことを思いながら外をボーと見つめる




「杞憂様、お相手様はあなたのご主人様と言っても過言ではありません。前回のように拒否することは奥様、旦那様そして私たち一同許しません。」





びっくりした。




だって散々今までお見合いしてきて言われたこと無かったから




もう私の意思なんて本当に通用しないんだね





わかっていたけど悔しい。






最後の抵抗として返事はしない




返事をしてしまったら負けた気がするから