杞憂さんは提案に軽く頷くと顔を隠すように俺の胸元に埋める
全身が震えた
一切甘えてくるようには見えなかったのに
可愛すぎて理性がぐらつく
疲れたのか安心してくれたのか分からないけど、俺から離れようとしない
「疲れたなら寝ててもいいよ。着いたら起こしてあげるからね」
優しくそう語りかけてあげると俺にちょこっとだけ回されていた手に少しだけちがらが入った
俺に抱きつく手が姿が愛おしくてたまらない
もう俺から逃げられないからね
杞憂さんが寝たことをいいことに軽く口付けをした
「ん……」
たった少しのキスなのに杞憂さんから漏れる声がさらに俺を奮い立たせる
気が抜けたら杞憂さんを襲ってしまいそう
「煌牙様、到着致しました。」
そう言うと車から降りて、後部座席のドアを開ける執事
まるで俺の気持ちを知ってて止めるかのようなベストタイミング
まぁこれからずっと一緒に居るからいいか