21:00からログインして彼を待つ

24:00にログアウトすればいいだろう

姉が監視状態を設定している

いつも設定だけして監視はしていない

21:30ごろ彼が来店した

私を見てカウンターに来る

彼「こんばんは」

私「ありがとう、来てくれたんだ」

彼「うん、コーヒーを1つ」

私「アイス?サイズは?」

彼「そうだね、アイスのSサイズを」

カウンターのパネルでも携帯端末からでも注文はできるけど

店員に注文してくれる

私「おまちください」

コーヒーを渡す

彼「終わるのを待てばいいかな?」

私「すぐにいくからコーヒーを飲みながらまっていて」

彼がコーヒーを持って席に移動する

かわりのAIを設定してカウンターから出る

自分のコーヒーをオーダーして彼のいる席にいく

私「相席いいですか?」

彼「どうぞ」

彼がカウンターを振り返る

私に似たロボットが立っている

彼「なるほど」

私「きいてもいい?」

彼「ん?」

私「なんできてくれたの?」

彼「なんとなく・・・話しかけられたのがうれしかった・・・から・・・かな」

私「そう、ありがとう」

彼「きみ・・・システムじゃないよね」

私「現実では普通の人間」

彼「そう、よかった」

まぁ、本当かどうかはわからないのだけれど・・・普通でもないし

相手の言っていることを信用する以外ない・・・か

彼「中身は女性?」

私「・・・あぁ、うん、女性・・・あなたは男性でいいのかな?」

彼「うん、現実でも男性」

仮想空間では好きな性別を選べる

男性で女性を、女性が男性を選択することはできる

顔と体系、髪型はカスタムできるらしい

私「名前・・・きいてもいい?アカウント名でいいけど、わたしはうみ」

彼「あ・・・」

海「ん?どうかした?」

彼「ん・・・と、そらにしてる」

海「は?海と空」

空「みたいだね」

姉が会話をきいているとしたら画面の向こうでわらっていそうだ

画面の向こう
姉(ははは・・・なんだこいつら・・・私のアカウントはアヤメにしてあったかな)

空「まぁ、識別記号みたいなものだし」

海「そうだね・・・この後時間ある?」

空「24:00まではログインしてられる」

海「そう、私も。コーヒーが飲み終わったら行きたいところがあるんだけど、いいかな?」

空「どこに?」

海「ひみつ」

空「・・・」

海「飲食のテストとかしないの?」

空「飲み物は飲むけど食べ物は・・・」

海「変な物食べた?」

空「最初のチュートリアルの食べ物が気持ち悪くて」

海「あぁ、あれ?舌触りと歯ごたえと味と匂いがめちゃくちゃで噛んで飲み込むのを躊躇する・・・」

空「うん、あれ」

海「だいぶ改善されたみたいだけどね・・・」

空「そうなんだ」

グラスか空いたのをみて

海「いきましょうか・・・デートに」

2人で席を立つ

店を出てすぐのお店に入る

空「ここ?」

海「ここの・・・これを食べてみて欲しくて・・・感想をききたい」

パネルを操作して食品を出す

海「はい」

差し出されたのは白いご飯が盛られた茶碗

空「ごはん?」

海「そう、ごはん・・・」

箸で1口、口に運ぶ

違和感がすごい

・・・ジャリ

空「砂利?」

海「砂利だよね?」

歯がどうにかなるんじゃないかと思うくらいに砂利で味は白米

温度はなくて舌ざわりはザラザラしているというか乾いている

空「飲み込めない」

海「でしょ?」

ケタケタ笑っている

海「店の近くにあったから試しに入ったらこれでさ・・・ネタかと思ったんだけど、そういう設定らしい」

空「ははは」

海「これを誰かにいいたくてさ・・・」

空「たしかに共有したくなるね」

海「これを訂正するように報告してみて」

空「レポート?」

海「うん」

いわれたままに書き込む

すぐにポイントが支給される

海「ね」

空「これは・・・」

海「いい金額でしょ?」

空「これだけで?」

海「テスターにデータを作る協力をさせてるといえばいいのかな、みんなこれでお小遣い稼ぎしてるみたい」

空「君も?」

海「私は違うんだけどね、ホストがわの実験というか・・・」

本当のことは言えない

私の場合は大したことではないけれど

海「飲み物と食品、あとは香水とかテスターができるから、暇なら」

空「どうして」

海「昨日の君があまりにもつまらなそうにしてたから」

空「そうだね」

海「君がログインする理由が必要になる」

空「それは・・・」

海「私に会いにきてくれるならそれでもいいけれど・・・」

空「・・・そうする」

海「そっか・・・それじゃ行こうか」

空「こんどはどこへ?」

海「散歩」

空「サンポ?」

海「そうだ、タピオカミルクティーを飲みながら・・・古いかな?」

空「いいけど・・・ここでかうの?」

海「ここで買うとゴムでも入ってそうだな・・・」

空「かな?」

海「タピオカはまた今度でいいか」

歩き出す

彼女の後をついていく

ほのかに花の香りがしたような

少しあるいて足を止めたところは小さな公園だった。