まるで、そこに彼女が居るかのように、彼女を見つけたかのように、男は手紙を読み漁った。 時々、相づちを打ったり、手紙に声を掛けながら、あっという間に最後の手紙を手にした。 手紙には、66歳の誕生日おめでとう、と、弱々しい字で書いてある。