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その後、私と詩子のふたりは10万ポイントで交換できる商品を確認していた。
ちょっとした宝石やブランドの財布。

それに自転車や台所用品など種類は多岐に渡っていた。
どれも良くて、なにをもらうか困ってしまうような商品ばかりだ。


「でもこれってたぶん偽物だよね」


詩子がブランドもののバッグを指差して言った。
普通でも5万円ほどで購入できるグランドバッグだから、10万ポイントあれば当然交換してもらうことができる。

でもそんなに大盤振る舞いしていては利益にならないはずだ。


「たぶん偽物だよね」


私達がアプリをダウンロードして誰かを絶交させたとしても、それで利益が出ているとは思えない。
今のところアプリ内で課金もしていないし、本物のブランド商品がもらえるとは思えなかった。

でも、そこは最初から期待していないから問題ない。


「でもこれ、見て」