一瞬にして青ざめ、そして真っ赤に染まる。
その視線が教室内をさまよった。

きっと、洋子のことを探しているんだろう。


「なにこれ、ヤリマン?」


玲香と一緒にいたクラスメートの1人がラクガキに気がついて声を出して読み上げた。
これは予想外の展開で、私はゴクリと唾を飲み込む。

玲香が慌てて「だ、誰かのいたずらだと思う」と説明している。


「いたずらって、でもこれひどくない? ねぇ、みんな!」

「本当だ、ひどい」

「これって誰がやったのか心当たりないの?」


教室にいたクラスメートたちがこぞって玲香のことを心配しはじめた。
私は詩子と視線を合わせる。

詩子は知らん顔をしてスマホをいじっているので、私も興味ないフリを続けることになった。
と、そこに洋子が戻ってきたのだ。