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「結局1日で40万ポイントも使っちゃった」


買い物に疲れてファミレスで休憩しているとき、私は電子マネーの残高を確認した。
残り10万ポイントだ。


「そんなに使って大丈夫?」

「大丈夫だ。お金は欲しいものを買うために使うんだから」


私はそう答えてオレンジジュースを一口飲んだ。
疲れて乾いていた喉に心地よく滑っていく。


「それにさ、またゲームをすればいいだけじゃん?」


詩子の目が少し見開かれる。


「そうだよね。またゲームをしてお金を貰えばいいだけだよね?」

「うん。私のお父さんなんて『いい大学へ行け、いい会社に入れ』っていつもうるさいの。だけどさ、このゲームがあればそんなこと気にしなくていいと思わない?」


私は自分のスマホを見つめて呟くように言う。
毎日毎日小言のように勉強勉強とうるさい父親。