「ごめんってば」
「まあ、今日会ってくれたから許す」
お互い、ヘルメットを被ってバイクに跨るとけたたましい音を鳴らしながらバイクが動き出した。
初めて見た制服姿もかっこいいな……。
顔がいい人って何を着ても似合っちゃうんだな、と彼の腰にぎゅっと掴まりながら考える。
ああ、会えてこんなに嬉しいなんて本当にダメだ。
わたしは誰とも生きていけないのに。
孤独と仲良くしていかなきゃいけないはずのに。
しばらくすると、この前連れてきてもらったビルに着いた。
そういえば、居場所だとか言ってたな。
「今日はみんないるから」
「え?」
「2人きりがよかった?」
「ち、違うよ……!」
にやり、と意地悪そうに笑いながら言った柊磨にわたしは否定の意味も込めて首を左右に振った。
みんなって……この前言っていた暴走族の仲間のことかな。



